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耄人の主張 [màorénde zhǔzhāng] Nr. 0003
あえて極論をいう。今はもはや、 総選挙の政見放送をNHKの電波に乗せるべき時代ではない。

2017.10.22に投開票される総選挙のせいでここの10日間くらい、 NHKラジオ第一と総合テレビのレギュラー番組が、 政見放送で大幅につぶされている

しかし今や、レギュラー番組を大量に休止してまでNHKが政見放送を流す意義は完全に失われている。 これについて語っていきたい。

なお、これを書いている今は10月20日(金)である。 投開票までに時間がなく、次の総選挙はたぶん2020年東京オリンピック・ パラリンピックの終了後になる(参議院の通常選挙も、次回は2019年の夏だ) ので、未完成の原稿だけどとりあえずそのまま掲載しておく。

問題点

  1. 私の場合、地元の小選挙区と比例東京ブロックの候補者、各政党のマニフェスト、党首や幹部の主張、それだけしか見るべきものはないのに、一都七県ぜんぶの政見放送に電波を占拠されてしまう

  2. 小選挙区の政見放送は政党単位だから、問題が少なくとも2つある。

  3. 近郊のどうでもいい候補の政見を大量に見せられる反面、遠方の名物候補の政見は見られない。

  4. 政見放送は情報の密度が低い。たとえば一人30分の時間があっても、そこで語れる内容は書籍換算で10-15ページ程度

  5. 放送を使うことで、動画ならではのコンテンツを提供できるポテンシャルは確かにあるが、それを活かせている政党がない

今はどんな時代か

  1. いま40代以下の若い人はそもそもテレビを生ではあまり見ない放送内容を録画する機器がごく当たり前のものになっているし、ネット動画の影響力もどんどん強くなっている。

  2. たとえばプロ野球中継にしても、ニコニコ生放送(ニコ生)横浜DeNA楽天の公式戦をすべて生中継しているし、「パ・リーグTV」という有料サービスもあるし、地元のコミュニティFM局で完全生中継される内容を全国どこでもネット配信で聴ける、ということも今やごく当たり前。

  3. テレビを観るとしても、録画してから観るというケースがどんどん増えてきている。昔はVHSテープへの録画は初期投資もそれなりにかかったし、操作手順も分かりにくかったが、今は違う
    1. プレスDVDの普及で、 DVDレコーダーが大抵の家庭に普及している。
    2. テレビだけしかなくても、1万円程度のHDDをUSBでつなげば簡単に録画できる
    3. DVDデッキにせよテレビ単体にせよ、 中にはLinuxが入っているものが主流なので、 昔のアセンブラ時代よりは格段に分かりやすい画面が作れるようになっている。
    4. 任天堂「ファミリーコンピュータ」 の登場時点に15歳だった子供たちが、 2020年には52歳になっている。概ねそれ以下の世代なら、 テレビ番組の録画程度のちょっとした操作は難なくできる。
  4. そのような情勢になっているため、つい最近から、視聴率調査でも生で視聴する人だけでなく、録画で観る人もカウントするようになった

  5. NHKの放送技術研究所が2020年東京五輪を目標に4Kテレビの開発を進めているが、多分その時点ですぐには、「皇太子御成婚→白黒テレビ」「東京五輪→カラーテレビ」という図式の再来にはならない
  6. 東京大会では、大抵の人がスマホやPCの、それほど品質の高くない動画や音声で中継を見ているはず。

  7. 逆に、テレビには頼らずに、たとえばニコニコ動画YouTube、さらにその他大勢のネット動画業者とが本気を出せば、マイナーな競技、個人種目の予選、無名の外国人選手の競技などまで完全に網羅することが十分可能になる。
  8. ユーチューバーのボランティアを1箇所あたり3人の規模でくらい募って、「東京までの往復旅費と滞在費、加えてチケットを提供するから、指定の時間帯にはひたすら撮影してウチのサーバに上げてくれ!」と頼むこともできる。

  9. 少額課金のインフラも整っているので、人気が出そうなものは有料にして、IOCJOCの売上に計上してもよい。

では、これからの政見放送をどうするか。

  1. ネット動画配信のインフラは既にあるのだから、入札で業者を選んで(念のため2-3軒くらいの業者に同時に動いてもらう)、そこにアクセスすれば全国どこの政見放送でも自由に見られる、という形にすればよい。
  2. 候補者側も、今や個人の趣味の予算内でも動画制作が可能なのだから、一定のゆるい制約のもとでどんどん自由に作らせて、ネット経由で配信業者に入稿させればよい。
  3. 諸派・無所属の陣営でも、供託金や選挙カーなどの費用が出せるくらいなら、安い動画を作れる若いスタッフは簡単に集まるはず
  4. 動画を配信している候補者の存在はまだ確認できていないけど、スピーチをMP3音声にして自前のサーバで配信している人は複数確認している。

ネット弱者への救済策もきちんと用意できる。

救済策 その1

  1. 特定の選挙区の住民が票を投じられる全ての候補者・政党の政見放送を1枚の円盤にまとめて焼いておき、期日前投票所のほか市区町村役場、公民館、老人福祉施設、病院、商業施設などで上映してもらう
  2. 必要な動画データの全部が2層ブルーレイ1枚におさまるように作っておき、政見放送をネット配信する業者のサーバからISOイメージ(は巨大になるので、それを分割したファイル群)を配信して、各市区町村選管のPCで焼くようにすればよい。
  3. ブルーレイといえば「1層25GB≒180分」と概算されがちだが、実はS-VHSクラスまで画質を落とせば、特殊なコーデックを使わなくても60分あたり1GB程度にまで圧縮できる。つまり、2層のBD-Rなら、1枚で最大50時間くらいは詰め込むことができる。

  4. この方式のメリットは3つ。
    1. 上映会場に特別なネットインフラが要らない。 ごく普通のブルーレイプレーヤーデッキとHDMI対応モニタがあればそれだけで足りて、 たとえば光ファイバー回線を引いたりする必要はない。
    2. 円盤1枚におさめておけば、開店時に再生開始の操作をしておけば、あとはエンドレス再生させて、 閉店時まで放置しておくことができる。
    3. 円盤に焼く作業を各市区町村の選管に委ねれば、 特定の1箇所の工場で多数の円盤を用意して、選挙区ごとに仕分けして、 宅配便で発送して、という、 間違いの起きやすい大きな手間はかからない

救済策 その2

  1. 複数の選挙区の人がやってくるような場所、たとえば大きな病院などでは、タブレット端末とヘッドホンを用意して、ネット配信の動画(任意の選挙区のもの)を待合室で観てもらうこともできる。

  2. 心配なのがWi-Fiの通信容量だが、しっかりと高圧縮のコーデックを使って、必要に応じて複数のアンテナを立てればよい。
  3. 技術的なことは通信業界の総力で対応することになるはず。
  4. どっちみち、2020年の東京五輪までには「狭い空間にあるWi-Fi回線を大量の動画データが飛び交う」という事態への対応策を開発しないといけない。
  5. 今でも「小学校の1クラスの児童ひとりひとりにタブレットを持たせて、そこで動画を視聴させたい」といった需要は確実に存在している。

(20. Okt. 2017)


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© DENNOU GEDOU GAKKAI, N. D. D. 2017/10/20 02:41 JST